ネットワークカメラの設置に便利なPoE対応機器のご紹介

ネットワークカメラ(IPカメラ)の市場は年々拡大しており、価格はピンからキリまで出揃ってきましたので、個人ユース向けの安価なネットワークカメラは1万円を切るようなモデルも珍しくなくなってきました。

そのような個人ユース向けの安価なカメラと、弊社の取り扱う商用向けのカメラの違いを見ていくと、一部の例外はありますが、そのおおよそは「PoEへの対応をするかどうか」で分けられるようです。

PoEとは

PoEとは「Power of Ethernet」の略で、イーサネットケーブル、いわゆるLANケーブルにカメラを動作させる電力も流して、データと電力の共用ケーブルとして利用することで、別途電源供給を行う必要をなくし、1本のケーブルだけで事足りるようにした画期的な方式です。アナログカメラで言うところの同軸ケーブル電源重畳方式にあたります。

PoEはIEEEで規格化されており、電圧は直流で48V固定とし、電流(A)を変化させて最大の電力量(W)がどこまで対応するかで規定しています。

最大で15.4Wまで出力可能な規格を「IEEE802.3af」、最大で30Wまで出力可能な規格を「IEEE802.3at」としています。30W対応のものは「PoE+」とも呼ばれ、カメラがPoE+を必要としているモデルではPoE+に対応した給電装置やネットワークハブが必要となります。

PoE対応の機材

PoE対応の機材はネットワークカメラにPoE電力を供給する用途のため、ネットワークカメラに直接取り付ける位置に組込みます。

既存のLANケーブルとPoE対応ネットワークカメラのLANケーブルの間に取り付けてPoE電力を付加する「PoE給電アダプタ」の導入が、手軽に追加できる方法です。

poe_powersupply

当社の取り扱っているGeoVision製のPoE給電アダプタは、15.4WまでのPoE機器に利用可能です。既存のLAN配線に追加し、付属のACアダプタから主電源を取り込むだけでPoEが供給できるようになり、設定などは一切なく簡単に利用が開始できます。

また、複数台のPoE対応ネットワークカメラを導入する際には、複数のLANポートにPoE給電が可能となる「PoEハブ」の導入をお薦めします。

poehub16port

GeoVision製のPoEハブは、4ポート、8ポート、16ポート、24ポートの種類があり、PoE対応カメラを導入する規模によって選択が可能です。

PoEハブも基本的な利用は一般的なネットワークハブ同様に接続するだけで問題ありません。上位機種に関しては管理機能を持っているため、管理が必要な場合に限りインターネットブラウザ上から設定を行います。

GeoVision製のPoEハブは特長として、全ポートのPoE給電が可能な点があります。他社製のPoEハブは半数のポートだけがPoE供給可能となっているモデルが多く、導入するネットワークカメラの全機種をPoE対応とした場合に、半数は別途電源を取得するかPoE給電アダプタを併用する必要が出てきます。GeoVision製のPoEハブでしたら全ポートでPoE供給されるため、そのようないびつな状況は回避できます。

ただ、注意点もございます。GeoVision製のPoEハブは最大30Wの供給が可能なPoE+に対応していますが、半数を超えると最大15.4WのPoEとなります。全ポートのPoE給電は可能ですが、全ポート30WのPoE+給電は行えませんので、PoE+の電力が必要となるネットワークカメラを利用する場合に限りご注意下さい。

PoEで動作するネットワークカメラ

当社の取り扱っているGeoVision製カメラ(型番の数字が4桁のモデル)とAfreey製のカメラはPoEでの動作に対応しています。

PoE給電アダプタまたはPoEハブと、PoEネットワークカメラの組み合わせにより、ケーブルの配線も1本だけでスッキリし、電源取得用の工事費用も抑えられます。

ネットワークカメラ導入の際には、PoE対応機材の選択をご検討下さい。

PoE対応品を導入する上での注意点

PoE対応品を導入する上で、ご注意頂きたい点もございます。

PoE電力の供給機器から利用機器までの伝送距離は規格値としては100mとなっていますが、これはあくまで期待値であり、利用しているケーブルの状態や伝送する電力量などによって割り込んでしまう可能性があります。

特に顕著となるのが、芯線が非常に細いフラットタイプのLANケーブルになるでしょう。

部屋の隅を這わせても邪魔になりにくく、床下に這わせても膨らまず、取り回しがしやすいといったメリットが多く、利用されることの多いフラットタイプのLANケーブルは、特性として電流の減衰が大きく、周りのノイズも拾いやすいため、標準の丸い口径をしたLANケーブルと比べると長い距離の接続に不向きです。
そこへ、機器を動作させるほどの大きな電力を追加で通すのですから、その特性はさらに不利な条件となります。
PoEは規格値が48Vと、一般的なACアダプタで動作させる機器と比べると高い電圧を印加していますが、それでも本来のLANで利用するデータ伝送用の電力と比べると破格の差があり、電流も多く流れます。フラットケーブルの薄い線では心許ない量です。
そのため、フラットケーブルで接続した先にPoE機器を取り付けたいのであれば、規格値は無いものと思ったほうが良いでしょう。100mを下回る距離でも機器を動作できるほどの電力供給が行えなかったとしても、推して知るべし、となってしまいます。芯線の許容値を超える電流が流れた結果、芯線が高温を発して発煙ひいては火災となる可能性も否定できません。
PoEを利用して構築する際にはフラットケーブルを選ばず、PoE対応と明記されているか、それと同等の仕様を有する単線仕様のLANケーブルを用いるのを強く推奨致します。

【参考外部リンク】

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です